渓斎英泉《新吉原年中行事 陽春正月年禮 扇屋内花扇》
文政後期~天保前期(1820年代後半〜30年代前半)(部分・加工)

江戸時代、当世すなわち浮世の姿を描き出した浮世絵は、今も昔も多くの人に愛好されています。浮世絵には、江戸の庶民の生活や娯楽のありよう、また彼らの愛した四季の風物や風景、親しんだ物語の世界が存分に表現されています。

日本浮世絵博物館(長野県松本市)は、信州松本の豪商・酒井家が200年以上かけて収集した浮世絵コレクションを母体とし、日本有数の浮世絵コレクションとされています。本展覧会では、同館所蔵の歌川国貞(1786~1864)・広重(1797~1858)・国芳(1797~1861)を中心とする江戸後期の浮世絵140点を通じて、江戸庶民のさまざまな「楽しみ」の世界をご紹介します。これまでまとめて紹介される機会の少なかった同館のコレクションを、この機会にぜひお楽しみください。

江戸の歓楽街と言えば、芝居町と吉原の二大悪所。艶やかに着飾った遊女と堂々たる姿の歌舞伎役者は、浮世絵のなかでも古く、また愛された題材です。

渓斎英泉《姿海老屋楼上之図》文政11年(1828)頃
歌川国貞《七代目市川団十郎の此下東吉・五代目岩井半四郎のさつき》文化12年(1815)

江戸の庶民が熱狂し、読みふけった軍記物や伝奇小説。浮世絵には、そんな物語の世界が大胆かつ緻密に計算された構図で繰り広げられています。

歌川国芳《弁慶梵鐘引き上げ》弘化2〜3年(1845〜46)頃

江戸の人々は、四季折々に江戸の名所を訪ね、また時には旅に出て、風景や名物を楽しみました。庶民の行楽を描いた浮世絵は、四季の風情と賑わいに満ちています。

歌川広重《名所江戸百景 亀戸天神境内》安政3年(1856)

両国橋広小路や浅草などの盛り場で、人気を集めた見世物。浮世絵師たちは、誇張や空想を交えながら、見世物の世界を面白おかしく描き出しています。

歌川国芳《流行猫の曲鞠》天保12年(1841)

寿司にてんぷら、旬の魚に季節の果物。浮世絵には、江戸の自慢の美食を前にした人々の心の機微がとらえられています。

月岡芳年《風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗》明治21年(1888)

肉筆画では、絵師、彫師、摺師の分業により制作される版画とは異なり、絵師の筆遣いを直接味わうことができます。貴重な肉筆画の数々をこの機会にお楽しみください。

渓斎英泉《月下文読む美人図》天保末~弘化期(1840~47頃)

主催
北海道立近代美術館、テレビ北海道、
日本経済新聞社、北海道新聞社
特別協力
日本浮世絵博物館 
後援
北海道、札幌市、札幌市教育委員会

お問い合わせ
北海道立近代美術館
〒060-0001 札幌市中央区北1条西17丁目
TEL 011-644-6882
(年末年始、土日祝日除く 10:00~17:00)※月曜休館日